2017年12月26日火曜日

【万年筆に恋してた】ボールペン以上、万年筆未満。

万年筆に恋してた。
万年筆で書かれた文字を見て美しいと思った。いつの日からか自分の足でその山に登り、その頂きから下界に広がる美しい日本の文字たちを、この目で見てみたいと思うようになっていた。くる日もくる日も僕は調べた。先人たちの文献を読みあさり、判ったことがいくつかあった。

その山に登るには、道がとても険しい。
・道は通行料が高かった。
・日本の文字に適した道は、さらに通行料が高かった。
・新品でも、病気しているかもしれなかった。
・普通に使っていても、病気するかもしれなかった。
・毎日使ってあげないと、病気するかもしれなかった。
・健康に気をつかい、定期健診を受けた方が良さそうだった。
・でも、ペンクリニックという名の病院は近くにはなかった。
・たまにお風呂に入れてあげることが必要だった。
・インクや紙とも相性があるみたいだった。
・そもそも僕は字が上手くない。

そしてこの険しい道のりを乗り越えられた者たちだけが、その山の頂きからあの美しい文字を見ることが出来ることを知った。しかし今の僕には、あの美しい文字の魅力をもってしても、万年筆という名の険しい道のりを乗り越えることは出来なかった。
また、別の山の存在を知っていたのも事実だった。その山を登るには書道という名のさらに険しい別の道があり、桃源郷という名の、筆で書かれた美しい文字が待っている場所にたどり着けるのは、ごく一部の仙人のみということも知っていた。凡人には到底無理だった。

僕は、違う道を必死に探した。

たとえ低い山でも、絶景にめぐり逢える道を探して。いまいちど立ち止まって、僕の思う絶景を考えてみた。
・青黒で書かれていた。
・文字には濃淡があった。
・かすれていた文字もあった。
・とめ・はね・はらいがキレイだった。

そうだ道はあまり関係ないんだ。そこから見える景色が大切だったんだ。その日から僕は今までとは違う文献を探した。表情豊かな文字の書ける、ペンという名の新たな道を探して。

ボールペン以上、万年筆未満の最適解。
僕は青黒で書いた文字に表情が出やすい、歩きやすい道を選んだ。幸いこの国には、僕を手助けしてくれる会社がいくつかあった。

水性染料
水性ペンタイプ
・ぺんてる   プラマンJM20    青
・ぺんてる   トラディオ・プラマン  青
サインペンタイプ
・ぺんてる   筆タッチサインペン   青
・パイロット  筆まかせ 極細/細字  ブルーブラック
カートリッジ式サインペンタイプ
・パイロット  ペチット3(筆ペン)  ブルーブラック
・パイロット  サインペンスペアタイプ 万年筆用カートリッジ
・プラチナ万年筆 ソフトペン/採点ペン 万年筆用カートリッジ

水性顔料
ボールペンタイプ
・三菱鉛筆    ユニボールエア 0.5/0.7 青
サインペンタイプ
・三菱鉛筆    リブ 毛筆タッチ    青
・呉竹      筆ごこち 細字     ブルーブラック
・サクラクレパス ピグマファイン     ブルーブラック

今はこの道を歩き始めたばかりで、まだ見ぬ絶景を追い求めている。僕の求める「そこ」には、この道ではたどり着けないのかもしれないけど。