2018年2月12日月曜日

【Debian最小構成インストール】10年以上前のノートパソコンを快適に使う

10年以上前のノートパソコンを使いたい
だから、とにかく動作が軽いOSを探していた。もちろんタダで。OSのサポートが切れたからって、パソコン自体が使えなくなるのはおかしい。ネットに繋がるなら古いパソコンなんだし、多少の不便は我慢する。だけど使いもしないアプリなどが、大量にインストールされるのは我慢ならない。Webブラウザマシンとして、インターネットに無線LANで繋がり、YouTubeが見られること。そんな自分が選んだのがDebian。

軽量Linuxディストリビューションや軽量デスクトップ環境がもてはやされているけれど、Debianをデスクトップ環境なし最小構成でインストール、あとから自分好みのパッケージをインストールしていく形が、ムダもなく自分の理想の軽さでした。

以下、インストール作業を忘れてしまわないために。

Debian 9 stretch最小構成インストール
・debian-9.3.0-[i386 か amd64]-netinst.iso CD作成
・インストーラーを起動
・Advanced options選択
・Expert install選択
・パーティションは一つ
・nonfree・backports選択
・ソフトウェアの選択画面ですべてのチェックを外す
※デスクトップ環境なしのベースシステムのみインストール
インストール完了再起動後、パッケージ数約250、メモリ使用量約22MB・ディスク使用量約760MBです。

最低限のパッケージをapt install
・xsever-xorg-video-[intel か ati]
・x11-xserver-utils
・xinit
・xterm(端末エミュレータ)
※ここまでは xorg で一括インストールされると思います
・twm(ウィンドウマネージャ)
・fdclone(ファイルマネージャ)
・fonts-vlgothic(フォント)
・scim-anthy(日本語入力)
・alsa-utils(サウンド)
・wicd(ネットワーク接続マネージャ)
・firefox-esr-l10n-ja(Webブラウザ)
※他にもファームウェアなどが必要になると思います
自分はfirmware-misc-nonfree firmware-amd-graphics libavcodec-extra xserver-xorg-input-synapticsなど
パッケージインストール後、パッケージ数約550、メモリ使用量約36MB・ディスク使用量約1.5GBです。

Webブラウザマシンとしての最小構成
Webブラウザがストレスなく使えるように、一見古くさくても容量少なめのイケてるパッケージを最小インストールしたので、X Window System(X11)を起動させても、画面は真っ黒なままです。ですが、何も表示されていない画面上をクリックすると、twmのメニューが表示され、そこでxtermを起動してコマンドを打てば、firefoxなどが使えます。startxしてX11が起動した状態で、メモリ使用量は約70MB。その後firefox-esr52.6起動で、メモリ使用量は約170MBです。※64bit版をインストールしたマシンはそれぞれ約80MB、約220MBでした。

起動コマンド
startx(X window System)
fd(ファイルマネージャ)
vi(テキストエディタ)
nano(テキストエディタ)
alsamixer(音量)
scim-setup(日本語入力設定)
wicd-client -n(ネットワーク接続設定)
firefox(Webブラウザ)

超軽量デスクトップ環境としてのウィンドウマネージャ
ウィンドウマネージャtwmの設定は、見た目にも操作性にも大きく影響するので、自分の好みに合うようによく調べて設定したほうが良いと思います。自分は以前からデスクトップにゴミ箱などが表示されたり、壁紙が表示されるのさえイヤだったので、X11起動後はもちろん何も表示させません。さらに、ウィンドウマネージャtwmの存在を感じないように、クリックしてもメニューなどが表示されないようにしています。また画面の解像度が低いので、少しでも広い範囲が見えるようにウィンドウのタイトルバーさえ表示させないようにしています。もともとメニューバー・タスクバーもないので画面が広く使えます。そして画面の明るさ・音量の調節、システム・バッテリー・無線LANの状態表示、xterm・firefoxの起動、ウィンドウの大きさの変更など、キーボード操作だけで出来るようにしています。ウィンドウマネージャと端末エミュレータがあれば、自分のような永遠の初心者でも、Webブラウザマシンとして不自由なく使えています。コマンド操作は、軽くてとても扱いやすいと思います。

で、当初の目標であるWebブラウザマシンとして、2004年発売のVAIO type Aが蘇りました。メモリは1GBで、無線LANは11nのCardBusタイプです。YouTubeも、画質480pまでは問題なく再生されました。とても満足しています。

自分の好みにあわせた各種設定
・起動時間の短縮
/etc/default/grub # GRUB_TIMEOUT=0 # update-grub
・起動時のエラー処理
/etc/modprobe.d/blacklist.conf
・自動でログイン設定
mkdir /etc/systemd/system/getty@tty1.service.d
/etc/systemd/system/getty@tty1.service.d/autologin.conf
・自動でstartx
/root/.profile
・X11 起動時の設定
/etc/X11/xinit/xinitrc # xset s off -dpms # xmodmap /root/.Xmodmap
・キーマップの設定
/root/.Xmodmap # 左CtrlとCapsLockの設定
・エラーファイルの出力先設定
/etc/X11/Xsession # ERRFILE=/dev/shm/.xsession-errors
・ナチュラルスクロールの設定
/usr/share/X11/xorg.conf.d/40-libinput.conf
/usr/share/X11/xorg.conf.d/70-synaptics.conf
・xterm のフォント設定
/root/.Xdefaults
/root/.Xresources
・ウィンドウマネージャの設定
/root/.twmrc
・ファイルマネージャの設定
/etc/fdclone/fd2rc # SORTTYPE=1

いっしょに戦ったコマンド~達
# apt update
# apt upgrade
# dpkg -l | more(インストール済みパッケージ一覧)
# df -h(ディスク使用量)
# free -m(メモリ使用量)
# echo 3 /proc/sys/vm/drop_caches(メモリキャッシュの開放)
# top(システム状況の表示)

起動サービスの確認と削除
# ls -l /etc/rc5.d
# update-rc.d xxx remove

USBメモリのマウント・アンマウント
# mkdir /mnt/usb
# mount -t vfat /dev/sdxx /mnt/usb
# ls -a /mnt/usb
# cp /mnt/usb/xxx /xxx/xxx
# umount /dev/sdxx